血液検査を心配するサラリーマン

会社で行う健康診断の一つに血液検査があります。おじさん社員が数値の上下で一喜一憂している一方、若い社員は「がんまじぃてぃーぴーってなんぞや」と思っていませんか?。

今回は知っておいて損がない血液検査の項目解説です。

※基準値は検査センターによって数値が異なる場合があります

RBC(赤血球数) 貧血か多血症か

【基準値 男性435~555万/㎣ 女性386~492万/㎣】

赤血球は血液細胞の一つで肺から得た酸素を取り込み、全身の細胞に酸素を供給する役目を担います。

赤血球の赤の部分は鉄とタンパク質でできているヘモグロビン(血色素)です。赤血球の数と血色素の量の組み合わせで、貧血の原因がほとんど推測できます。

赤血球が多い・・・多血症(脳梗塞、心筋梗塞などの血栓症になりやすい)

赤血球が少ない・・・貧血(種類・原因は血色素との関係で推測される)

 

Hb(ヘモグロビン)

【基準値 男性13.7~16.8/dl; 女性11.6~14.8/dl】

ヘモグロビンはヘムという鉄分からできる色素とグロビンというたんぱく質からできていて、ヘムが磁石のように酸素とくっつくことによって、赤血球は酸素を運搬することができます。

この数値によりわかることは

鉄欠乏症

鉄欠乏症とは、血液中の鉄分が不足している状態で貧血の80~90%を占めます。

原因は偏食による食べ物からのの鉄分不足、胃腸が悪いための鉄分吸収障害や潰瘍や外傷による出欠過多も考えられます。

高色素性貧血

赤血球数は少ないが、ひとつひとつの赤血球の色が濃すぎるタイプの貧血で、悪性貧血(ビタミンB12欠乏)や再生不良性貧血が該当します。またアルコールを飲みすぎてもこのタイプの貧血になります。

正色素性貧血

ヘモグロビンも赤血球も少ないタイプが該当します。がんではこのタイプの貧血になります。ほかには腎臓病による貧血や溶血性貧血があります。

 

随時血糖 糖尿病か

【基準値 男女ともに200mg/dl以下 空腹時血糖 126mg/dl以下】

血糖値とは血液中のブドウ糖濃度をあらわし、早朝空腹時に73~109mg/dlあるのが正常です。血糖は筋肉や体の臓器を動かすためのエネルギーになり、とくに脳ほほぼ100%糖をエネルギーとします。

随時血糖とは食事の影響や測定する時間を考慮せずに測定した数値です。

この値が低いと、冷や汗、イライラ、意識消失、頻脈、血圧低下などの低血糖症の症状が現れます。

しかし、食べ過ぎや運動不足で血糖値が上昇し、それを低下させるインスリン(すい臓のβ細胞から分泌されるペプチドホルモン)の分泌が間に合わなくなると、高血糖状態が続き、全身の血管にダメージを与え栄養の補給ができなくなり、腎不全や失明、手足の知覚症がでてくるようになります。

 

GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)と
GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ) 筋肉と肝臓

【基準値 GOT男女ともに13~30U/ℓ
GPT 男10~42U/ℓ 女9~32U/ℓ】

非常に長い名前でややこしいですが、これらはアミノ酸の合成を促す酵素で、GPTは肝細胞にしかなくGOTは肝細胞と筋肉細胞に含まれます。血液検査でこれらが上昇しているときは肝炎、肝臓ガン、肝硬変や筋肉の病気の危険値を表しています。

GPTがGOTより高ければ肝臓の病気

GOTがGPTより高ければ筋肉の病気

を疑ってください、

ただし、肝臓の病気も慢性化していくとGOTがGPTより大きくなりGOTがGPTの3倍になると肝臓ガンが発生している可能性が高くなります。

数値が200を超えると仕事を減らす必要があり、300を超えると入院の必要があり、1000以上の場合は重症と診断されます。

東京大学付属病院によると

GPTはALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)

GOTはAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)

と併記されています。

γ-GTP(ガンマ・グルタミル・トランスペプチダーゼ)胆汁

【基準値 男 13~64U/ℓ 女ともに9~32U/ℓ】

γ-GTPとはたんぱく質を分解する酵素で、アルコールを飲むと上昇してくるので、GOT、GPTが正常で、γ-GTPだけ高いときは、アルコール性肝障害が考えられます。ただし、アルコールが飲めない人でγ-GTPのみが高い人は水分をとりすぎる東洋医学でいうところの「水毒症」の可能性が高いです。

LDL-c(悪玉コレステロール)動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞

【基準値 男女ともに65~139mg/dl】

これがよく耳にする悪玉コレステロールと呼ばれる人間の体内にある脂質のひとつです。です。LDL-cは肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っており、増えすぎると動脈硬化を起して心筋梗塞や、脳梗塞を発症させます。

これが増えすぎると、血管壁にたまり活性酵素の影響で酸化して、過酸化脂質になります。蓄積すると血栓ができ動脈硬化を進行させます。

食物繊維や青魚などでコレステロールをを抑え、ビタミンC、E、βカロテン、ポリフェノールなどがLDL-cの酸化を防ぐことができます。

 

HDL-c(善玉コレステロール)

【基準値 男性40~90mg/dl 女性40~103mg/dl】

善玉コレステロールは余分なコレステロールを回収し、さらに血管壁に詰まった悪玉コレステロールを取り除いて肝臓へ戻す役割をします。

悪玉コレステロールが動脈硬化を促進するのとは逆に抑制する働きがあるので、善玉コレステロールを呼ばれます。

 

TG(中性脂肪)動脈硬化

【基準値 男性40~149mg/dl 女性30~149mg/dl】

中性脂肪は、体を動かすエネルギーではありますが、多すぎると皮下や内臓、血管の内壁に沈着して、肥満、脂肪肝、動脈硬化を起こします。

もともと中性脂肪は肉や魚や食用油など食品中の脂質や、体脂肪の大部分を占める物質で単に脂肪とも呼ばれます。

 

以上、血液検査で重要な項目をご紹介しました。

検査センターによって基準値が違うのは日本内科学会や日本動脈硬化学会のようにその病院が所属する学会ごとに生活習慣病の各種項目の基準値が違うためですので、少しオーバーしているぐらいでは驚かなくて大丈夫です(ただし生活習慣は見直してください)。現在は治療方針の簡素化のためにこの基準値を統一する動きはあります。

数値はその時の体調などによっても変化するので、数字に一喜一憂せず、正しい生活習慣を身につけましょう。

血糖値、コレステロールが気になりだしたら ビフィズス菌ビースリー

参考 100歳まで介護がいらない人になる4つの習慣 石原結實著
東京大学医学部付属病院検査部