よく日本人の腸は長いと言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?

日本人は腸が長いから便秘になりやすい説を考えてみます。

日本人と欧米人の腸の長さを比べたデータがありました。

参考 International Journal of Colorectal Disease

この中では東洋人と西洋人の大腸の長さを比べ、ほとんど差はなかったと書いています。

ちなみに、きちんと理論だてて調べている方もいます。

参考 日本人は腸が長いか

確かに腸の長さで便秘を考えると体の大きい人の方が便秘になりやすくなりますし、体の小さい女性は便秘にならないということが考えられます。

しかし、周りを見渡してみると便秘で悩んでいる人に体の大小が原因だとは考えられません。

ちなみに、アメリカ人の女性も便秘で悩んでいる方が多く、年間約400万人の人が便秘で病院に治療にいきます。

参考 Digestive Disorders Health Center

ということは日本人も外国人も女性は便秘に悩んでいる人が多いということになります。

これは腸内環境の影響はもちろんのこと、女性特有の黄体ホルモンの影響などと言われます。

黄体ホルモンは女性の妊娠に関係するホルモンです。

女性は妊娠をするために栄養を蓄えなくてはならず、栄養と一緒に水分も蓄えるため便秘になりやすいと言われています。

昔の人は便秘だったのか?

江戸時代の人って便秘とかになったのかなと思い色々調べてみました。

すると、世界各地には下剤が古くからあったという歴史があり、日本においても古くから伝わる便秘のための漢方もありました。

つまり、紀元前から世界中の女性は便秘に悩んでいることになります。

しかし、なぜこんなに便秘の女性が多いのでしょうか?現代の日本人の食生活が欧米化したため、腸が短くなって体が欧米化してしまっためでしょうか?

やはり、食生活が原因なのではないか?こんな調査報告があります。

食生活による便通時間の研究

食生活と便通に関しての研究で有名なバーキット博士の研究があります。

アフリカの農民の排便の量とイギリス人の学生の排便の量、そして食べてから便となって排泄されるまでの時間(消化管通過時間)を測定してみました。

アフリカの農民の1日の排便量は平均470g、消化管通過時間は平均36時間だったのに対し、イギリス人の学生の1日の排便量は平均104g、消化管通過時間は平均73時間であることがわかりました。
消化管通過時間は、食べてから小腸を通過するまでは両者ともにほぼ同じでしたが、大腸に滞在している時間がまったく異なっていたのです。

イギリス人の学生は、アフリカの農民の約2倍にあたる73時間も便を大腸にためていました。

これほど長時間、便が大腸にあると、便は腸内で悪玉菌によって腐敗し、発がん物質や人体に有害な物質を大量に発生させ、さらに発がん促進物質の二次胆汁酸が長く大腸にとどまることになります。

そして、食事の内容を調べたところ、アフリカの農民は食物繊維をたっぷり(60~80g) とっていることがわかりました。

このバーキット博士の研究から、食物繊維の摂取が便秘の改善に効果があることがわかったのです。

参考 マンナンライフ

これを見て食物繊維が大事だとなっていますが、イギリス人の食事内容が書いていないのでなんともいえませんが、食生活が影響していることは容易にわかるデータになっています。

現在良く売れてる特保のお茶やスムージーや酵素ドリンクなどの健康食品の原材料にもなっている「難消化デキストリン」というものも食物繊維の一種です。

食物繊維は体の中で分解されないので、便として食べ物の残りかすなどと一緒に排出される便の素になるものです。

分解されないので、体内にも吸収されず難消化性デキストリンなどの不溶性食物繊維は膨らみ便の量を増やします。

別の研究ではアメリカ人とアフリカ人のS字結腸ではアメリカ人が平均44cmに対し、アフリカ人は平均61cmだったと報告していますので、腸の長さと便秘の因果関係はまだ証明されていないことになります。腸

まとめ

腸全体ではないですが、日本人とアメリカ人の大腸の長さを比べた論文がありました。

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?―大腸3D-CT(仮想内視鏡)による1,300名の検討

このデータによると

国籍性別 全年代平均 50代 60代 70代
日本人男性  154.3cm 151.3cm 156.6cm 168.0cm
日本人女性 155.2cm 155.3cm 153.8cm 158.9cm
アメリカ人男性 158.3cm 155.6cm 160.7cm 162.1cm
アメリカ人女性 158.1cm 155.6cm 157.8cm 167.4cm

となり、ほとんど差がなくむしろアメリカ人の方が長いという結果でした。

全被験者の体格のデータを取っていなかったようで、体格差による腸の長さの因果関係はつかめなかったようです。

というわけで、日本人だから腸が長い、食事が欧米化したから便秘が多いという説にはまだ疑わしいところがあります。

私達の行ったアンケートでは女性の75%の人が便秘に悩み、60%以上の人が10代、20代の若い時期から悩んでいます。

アンケート

男性は下痢気味の人が多いのに対して、女性が便秘になりやすいのはやはり女性特有のホルモンバランスが崩れ水分を吸収しすぎるからという説が最も有力なのではないでしょうか?

女性はむくみやすいですしね。

腸内細菌が多様な方が女性ホルモンの代謝物が多くなりますし、腸内細菌は子供に遺伝します。

ヨーグルトだけではなく乳酸菌、ビフィズス菌で腸内改善をしましょう。

http://ci.nii.ac.jp/naid/130003375264