老化というのものは人間の細胞が時間とともに衰えていくことです。

では、なぜ人間の細胞は衰えていくのでしょうか?それは活性酸素というものが原因です。

今回は「分子障害説」と呼ばれるものに関して説明します。

活性酸素とは何?

活性酸素は「フリーラジカル」の代表的なものです。中学校の理科の授業を思い出すと原子という言葉を覚えていますか?原子は物を構成する最小単位です。

水はH2Oということは皆さんご存知ですね。H(水素原子)が2個とO(酸素原子)1個が結合した分子です。このH2OからHを一つとると電子のバランスが崩れ非常に不安定な状態な分子になります。この非常に不安定な分子が「フリーラジカル」の一例です

非常に不安定な分子はバランスが取れていないので、フリーラジカルは体中の細胞を駆け巡って自分にあった電子を奪ってバランスを保とうとします。そこで、他の安定した分子を破壊し、さらに多くのフリーラジカルを生み出して分子を破壊し続けることになるのです。

また活性酸素は何かにくっつくととその相手を酸化させ、その性質や機能を変えてしまいます。

例えば、活性酸素が細胞膜にくっつくと、細胞膜に含まれるコレステロールを下げる働きをする不飽和脂肪酸を酸化させて、過酸化脂質つくり組織や細胞を破壊します。

このように時間とともに、フリーラジカルが生みだす破壊が蓄積され人間は老化していくと考えられています。

最近、抗酸化を呼びかける情報や健康食品が多いのは、この活性酸素による細胞の酸化を防ごうということです。

なぜ活性酸素ができるのか?

こんなに体に悪い活性酸素はなぜできてしまうのでしょうか?

人間は食べ物を食べて、それを熱に変えることで私たちの活動ができます。

車が走るのにガソリンを燃料とするように、私たちは2000キロカロリーの食べ物を体内でエネルギーに変えるために500リットルもの酸素を必要とします。

この酸素を利用する過程で必然的に活性酸素ができてしまいます

まるで、車の排気ガスのようですね!?

昔から腹八分でいいというのは、食べれば食べるだけそれをエネルギーに変える為に酸素を消費しなくてはならず、酸素を消費すればするだけ活性酸素を生み出し体を悪くしてしまうということだったのかもしれません。

最近流行の一日1食にしなさいなどの啓蒙本もこうした理論を基に書かれているのでしょう。

また活性酸素は紫外線や大気汚染の影響、ストレス、タバコで発生が多くなります。

空腹のほうが記憶力が良くなる

食べ物を減らすほうが体の老化を防ぐには良い事を先ほど述べましたが、空腹と記憶力に関するおもしろい研究があったのでご紹介します。

2006年にアメリカのイェール大学のホーバス博士は、人の食欲を増進させる「グレリン」というホルモンが脳の海馬にも作用するという報告を発表しました。

もともと「グレリン」は胃が空っぽのときに胃から分泌され、脳下垂体に働きかけて成長ホルモンの分泌を促す作用があり、同時に視床下部に働きかけて食欲を増進させます。

マウスを使った実験では、グレリンを投与したマウスとそうでないマウスでは記憶力が高まったという結果になり、海馬のシナプス数を30%も増やして活動が盛んになるということを突き止めました。

つまり、空腹時にはグレリンが分泌されるので、空腹時に勉強をした方が記憶力が良くなるということになります。

ちなみに、グレリンの血中濃度は太っている人で低く、痩せている人では高いので、やせている人の方が記憶力が良いということになるかもしれませんが、その研究はされていないので検証は各自にお任せいたします。

最後になりましたが、活性酸素が老化の原因かはまだまだ議論、研究されており100%実証された説ではありませんが、活性酸素が体の様々な面で悪影響を与えることは定説になっています。

皆さんも腹八分を心がけ体の酸化を防ぎましょう。

参考 いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣 石浦章一著