並ぶ3世代家族

「家族がぼけになったら…」きっと大変だろうと考えつつも
「その状態になってみないとどんな状態になるのか想像が付かない!」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
そんな方に「介護生活を海産物の名前で有名なとある家族」に例えた面白い書籍がありますので、本文を一部引用してご紹介いたします。

もし波平さんがまだらボケになったら

買いものから戻ってきたサザエは、玄関で波平と鉢合わせ。波平はこうもり傘を持って何やら急いで出かける様子です。
  「あら、父さん。傘なんか持っちゃってどこ行くの?」
  「え、あ」
  娘に質問されて波平はうろたえた様子で、
  「う、うん、ちょっとな」
  「きょうはすごくいい天気よ」
  「う…そうか、そんならいいんだ」
  波平は傘を置いて自室に戻っていきます。変なの、と思いながらもそのまま台所に入ったサザエ。でも小1時間後、今度は玄関にフネの叫び声が。
  「お父さん、そんな格好でいったいどこへ行くんですか!
  あわてて玄関に向かったサザエは、雨合羽を着込んでゴム長をはいた波平の異様な姿にビックリ。波兵はばつが悪そうに玄関に突っ立って顔を赤くしています。
  「いや、堤防の様子を見てこようと思ってな
  「お父さんしっかりしてください、ぼけちゃったんじゃないでしょうね」
  フネの言葉に、サザエははっとします。
  「父さんだって、考えてみればもういい歳なのよね…」
澤田信子 監修「磯野家の介護」研究会 (2012).
  「磯野家の介護 もし波平がまだらボケになったら」28-29 より

 

「いつもよく知った人の行動に違和感を感じる」これだけでもなかなかショッキングなものです。

ぼけは医学用語で言うと「認知症」
その中で、まだらぼけとは「しっかりしている時と、混乱している時が混在する」といった、認知症の入り口といわれる状態の事です。

認知症の症状が出始めても、本人の意識はしっかりしており「どこかおかしい」「今までと違う」といった不安や恐怖を感じています。
もちろん嬉しいや悲しいといった感情もあるのです。理解ができない行動を叱ったとしても本人にその自覚はありませんので戸惑ってしまいます。
多少間違った行動をしても受け入れてあげる寛容さが必要です。

 

進行するぼけと進行しないぼけがある

認知症の原因は様々ありますが、大きく大別すると「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」の二つに分けられます。
この二つだけで認知症の原因の約80%を占めているといいます。

アルツハイマー型の認知症は脳の神経細胞が減り、萎縮する事によって起こります。
そのため記憶障害を中心にゆるやかに進行します。

一方、脳血管性認知症は病気や何らかの理由により脳の血管が詰まったり、破れたりしてその部分の働きが悪くなる事で起こります。
こちらの場合は、脳のダメージを受けた部分によって記憶能力であったり判断能力であったり、障害を受ける部分も変わってくるのです。
脳血管性認知症は脳の病気を治療したり、再発を防止する事で進行を食い止める事ができる認知症なのです。

 

認知症の予防はどうしたら言いの?

現在「こうすれば認知症にならない」という方法は見つかっておりません。
しかし「どうすれば認知症になりにくいか」は最近の研究によりわかり始めてきました。

脳の健康を守るためには、計算やパズル、2日・3日遅れの思い出し日記をつけるなどの「脳トレ」で脳を刺激したり、食事の中に認知症に良い食べ物を取り入れ、予防や進行を遅らせる事が大事です。

認知症は「脳の血行が悪くなる事」が大敵です。
血管の動脈硬化などが進むと、認知症の進行につながります。
ここでいくつか認知症に良いといわれる食品を紹介します。

魚介類の脂質に多く含まれるDHA、EPSは血中のコレステロールを下げる効果がある。
これらを多く含むイワシ・サバ・サンマなど背の青い魚、うなぎやマグロのトロ・すじこなどがオススメ。

大豆類

コレステロール値を下げるレシチンが含まれている。
また納豆にはナットウキーゼと呼ばれる血液をさらさらにする物質が含まれている。

しいたけ

エリタデニンという成分がコレステロール値を下げる働きがある。

ごま

メチオニンという肝機能の働きを助け、コレステロールや血圧を安定させる働きのある成分が含まれている。

クロスワードパズルを解く女性

 

まとめ

「もし家族が認知症になったら…」「もし自分自身が認知症になったら…」あまり想像したくない事ですが
「自分は絶対に関係ない、大丈夫だ」というものでもありません。

自分らしく老後を過ごすために脳に刺激を与える生活習慣を意識しましょう。
そして、もし周囲の人にぼけの症状が見られだしたときは「物事が理解できなくなる」というのは本人にとっても悲しい事なのだと理解し、支えになってあげたいものです。

 

引用元
澤田信子 監修「磯野家の介護」研究会 (2012).
磯野家の介護 もし波平がまだらボケになったら.
発行 株式会社 G.B