ヘルパーと男性国の方針として、「できるだけ介護は在宅で」という方向になりつつある現在、それでも自宅での介護は諸事情によって難しいために、民間の介護付有料老人ホームへの入所を検討している人達が少なくありません。

もちろん、公的な特養(特別養護老人ホーム)のほうが、設備の充実度に地域差があるにしても、費用の面では抑えられますが、都市部では数百人が順番待ちをしている状況ですので、すぐに入所することはなかなか望めない状況です。

私の親の場合、ぎりぎりのところまで在宅で介護を続けましたが、認知症はほとんど無かったものの、もともと病気から寝たきりになったこともあり、老人ホームへの入所を主治医からも勧められました。

ただ、特養が700人待ちであったため、私や兄弟たちができるだけ1時間以内で週末等に通える範囲内で、民間の介護付き老人ホームを探し始めました。

もちろん、入居金が数千万円以上の高級老人ホームは、いろいろな面で整ってはいましたが、そのような余裕はなくなんとか支払っていける料金体系の施設をいくつか選び、事前に見学をしてまわることにしました。

介護施設の持つ不確定要素|人的要素

さまざまな施設を見て感じたこととして、最初に申し上げておきたいのは、設備がどんなに良くても、そこで働く職員の人達、あるいは管理者の人達の姿勢や、経営母体の企業のトップの考え方によって、入居者への対応が大きくことなってくるのは確かなことです。

しかしながら、経営理念は変わることはなくとも、現場のリーダーなどが交代することで、職員全体の姿勢が、良いほうにも悪いほうにも変わってくることもあります。

ですから今回は、それらの流動的な要素はあえて除いて、設備や環境についてのチェック箇所をいくつかご紹介したいと思います。

ポイント1 ― マンションの選び方とは視点が違う

最初に知るべきことは、施設の建物自体が最初から介護施設用に建てられたものなのか、それとも社員寮などを改築したものなどであるかという点です。

後者の場合は、通路がかなり狭かったり、各部屋も小さめだったりします。

たとえ狭くても、それなりに工夫をして効率よく利用できれば問題はありませんが、食事後のトイレ介助などがどれほど込み合っているのか、その時間帯にあえて訪問するなどして、状況を確認しておくのもよいでしょう。

新規オープンの施設ではない限り、入所時に選べる部屋の数は少ないのが一般的ですが、もし多くの中から選べる場合、一般的には上階のほうが日当たりが良く、先に入居が決まる部屋が多いものです。

しかし老人ホームの場合は通常のマンション選びとは違い、上下左右の隣室等からの生活音や震動で悩まされることは、ほとんどありません。

むしろ、日当たりの良い上階は、何らかの対策をしていない限りは、夏はかなり室温が上昇してエアコン代も高くなります。

当然ながら、いくら部屋が広めであっても、日当たりが悪く昼間でも部屋が暗く冬場はかなり冷える位置の部屋もあります。

ポイント2 ― 将来を見越しての設備を見る

そして、やがて寝たきりになってしまった場合、専用の浴槽を利用した機械浴を利用することになりますが、入浴介助に慣れた職員であれば機械を使わなくても可能です。

ただし、介護施設の職員は多忙であることが多く、慣れていない新人が機械を使わずに入浴介助をすると、事故の可能性が高くなります。

機械浴の設備を持たない施設の人たちは、「私たちは機械に頼らずに、ふれあいを大切にしています」と説明することもありますが、それは残念ながら釈明に過ぎません。

入居時点では機械浴の利用の必要性はなくとも、将来的なことを見越して、この点もチェックしておいてください。

ポイント3 ― 訪問者が少ない時間帯に訪れる

食事の内容も気になるところですが、これも料理人が変わると味付けも大きく変わったりします。

また、来客等も多い昼食に特に見栄えの良いメニューにする施設もありますので、できれば、夕食時にもチェックするとよいでしょう。

その際には、十分な人数の職員がそれぞれの入居者の食事の様子に目を配っているか、ほとんど食べていない人に対して、時間が来たからといってそのまま下膳したりしていないかなど、しっかりと見ておきましょう。

そのようにチェックをしているという姿勢を事前に家族が施設側に見せておき、なおかつ入居後もできるだけ様子を見に訪れていると、その入居者に対して職員は気をつかうようになるものです。

本来はすべての入居者に対して同じように接するべきなのですが、これも私が経験で学んだ教訓ですので、強調してお伝えしておきたいと思います。

最後に-自分たちが通える近さ

見舞いに訪れる家族以上のように、介護施設を選ぶ際のチェックポイントを述べましたが、やはりいい施設であっても家族が通って顔を見せてあげることは何より大事です。

費用、距離、施設の3点のバランスを見極めて、あなたにあった介護施設を見つけてください。

ライター/エンジェル