最近巷で話題のガセリ菌やビフィズス菌などの乳酸菌。
「そもそも乳酸菌ってなに?」という人も多いのではないでしょうか?
厚生労働省のホームページでは
「発酵によって糖から乳酸をつくる嫌気性の微生物の総称。腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える。
発酵によって糖類から乳酸を作り出す性質を持つ微生物のことを指します。人体に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれます。」
と説明されています。
つまり、乳酸菌とは人間の腸内に良い影響を与える菌で、詳しく説明をすると乳酸を発生させて悪玉菌の増殖を抑えます。
しかし、食生活の西洋化と日々のストレスによって、現代の日本人の腸内環境は悪玉菌の多い環境になっています。
ここ数年、アトピーを初めとしたアレルギーや乾燥肌などの肌トラブルは実は腸内環境の悪化が一因とも言われています。
ヨーグルトを食べたり、サプリメントで摂取することにより腸内の善玉菌を増やすことができますが、より効果的な腸内デトックスの方法をご紹介します。。
赤ちゃんの腸内は赤ちゃんを守るためにビフィズス菌でいっぱい
私たちが母親の胎内にいたころは赤ちゃんの腸は無菌状態ですが、母親の産道を通るときに腸内細菌は初めて赤ちゃんに移ります。
生後1~2日のうちに胎便として排泄されるものは全く細菌がいません。生後5日目くらいになると赤ちゃんの腸の中はほぼ100%近くビフィズス菌が占めるようになり、大腸菌や腸球菌はビフィズス菌の100分の1程度です。
これは母乳にはビフィズス菌が含まれていて、免疫が弱く病気にかかりやすい赤ちゃんを異物から守るために腸内はビフィズス菌で満たされます。
皆さんの記憶にあるかもしれませんが、母乳やミルクしか飲んでいない赤ちゃんの便の匂いは全く臭くなく、ヨーグルトのようなすっぱい匂いがします。
色はオトナでは見られないような黄色っぽい色をしています。これはビフィズス菌が最優勢で、腸内が非常に安定していることの証明です。ビフィズス菌を最優勢にすることにより、病気や細菌から赤ちゃんを守っています。
ところが離乳期に近くなり、成人の食べ物に近いものを食べるようになってくると大腸菌やウェルシュ菌などの腐敗菌がその勢力を増長させてきます。
老年期の腸内には10人に3人の割合でビフィズス菌がまったく存在せず、悪玉菌が増加しています。
乱れた食生活やストレスでが続き、悪玉菌ばかりが増え善玉菌が増えないことが原因です。成人が健康でいるのためには腸内の善玉菌が約20%であることが望ましいとされています。
年をとるごとに善玉菌は減少していきますので、外部から乳酸菌を摂取して善玉菌の割合を維持することが必要なのです。
現在免疫力を高める乳酸菌を飲む方が多いですが、それは腸内を善玉菌で優勢にすることにより、人間本来の異物から体を守るシステムを正常にすることができるからです。
普通のヨーグルトでは腸内環境は変わらない
腸内環境を整えるために乳酸菌の摂取が必要なのことはご理解いただけたと思います。
ストレスを感じると男性は下痢になりやすく、女性は便秘になりやすいといわれています。
しかし、便秘薬などを使って解消しても便秘薬は大腸の水の吸収を阻害し、水分含有量を十分に維持して下痢状態をつくることで腸管運動を活性化するだけなので、腸内の菌の環境の改善にはなりません。
乳酸菌を増やしていくためには、プレーンヨーグルトを1日200g以上食べることが推奨されています。
しかし、ヨーグルトを200gも食べると脂質が高くなりすぎる可能性もあります。
無脂肪を選んだとしてもジャムなどを入れないと毎日食べると飽きてしまう可能性もあります。また糖分の摂りすぎにもなります。
しかも、ヨーグルトはどれでもいいというわけではなく、しっかりと腸に届く乳酸菌やビフィズス菌が入ったヨーグルトを食べないと効果がありません。
アメリカの研究では、腸内細菌が似ている一卵性双生児の7組の片方には毎日2回ヨーグルト摂取してもらい、もう片方はヨーグルトを食べないようにして7週間後の腸内細菌を調べた結果、二人の腸内細菌フローラはほとんど変化がなかったと報告しています。
乳酸菌にも色々種類があり、普通のヨーグルトは牛乳を発酵させるための乳酸菌しか使っていないため、腸内に届かないのです。
ですので、腸内にしっかりと届く菌を摂取することが大事なのです。
腸内デトックスの方法-腸内洗浄
腸内の菌を一度減らして、減らしたところに一気に善玉菌を摂取して善玉菌優勢の腸内にする方法が腸内デトックスです。
腸内細菌は腸内に1~1.5kgの重量がいるとされ、毎日の排便と共に排出されます。
腸内デトックスとはプチ断食をすることにより、一度腸内の悪玉菌を排出させ腸内の悪玉菌を減らした後に乳酸菌などの善玉菌を摂取することによって腸内環境を一気に善玉菌優勢の環境にします。
ただし、高齢者や病気で体が弱っている人、又は頻繁に体を動かすエネルギーが必要な人は、はなるべく乳酸菌を摂ってゆっくりと腸内改善をすることをオススメします。
断食前日|食事の量を減らしていく
- 昼食は普段の7,8割にとどめましょう
- 夕食は寝る3時間前までにして、普段の半分の量にして悪玉菌のエサとなる油や肉類は控えましょう
- 普段より水分はしっかりとり、お酒は控えましょう
- それ以外は普段どおりの生活で大丈夫です
断食当日|水分の摂取とリラックス
- 断食当日の朝食は朝から何も食べずに、水や薄めのお茶を飲みましょう。
- 昼食、夕食も食べませんが、水分はいつもよりしっかり2リットルを目安に摂りましょう
- お風呂は内臓に負担のかかる入浴はなるべく割け、シャワーや足湯などにしましょう
- それ以外の時間は激しい運動をさけ、読書や音楽鑑賞をしてリラックスしましょう。ストレスは腸内環境の敵です。
断食翌日|善玉菌の補給
- この日の朝までにドッサリきたら良いですが、こなくても朝はヨーグルトや乳酸菌サプリなどを補給して善玉菌を入れましょう
- ビフィズス菌入がオススメです
- それ以外は硬いものや脂っこいものをさけ、おかゆなどの胃腸に優しいものをたべましょう
- 1日断食した自分をほめてあげる意味も込めて、ゆっくり味わって食べましょう。
- 昼食からはスープやお味噌汁などをプラスして徐々に量を増やしましょう
- 夕食は普段どおり食べて大丈夫ですが、普段の食事の半分ぐらいを心がけ日を通した野菜など軽めを心がけましょう。
無理は禁物ですが、プチ断食による腸内デトックスは非常に効果の高い腸内環境改善なので、ゆっくりご自分のペースで取り組みましょう。
またクリニックによる腸内洗浄も腸内細菌入れ替えの大きなチャンスですので、腸内洗浄後は善玉菌をたくさんとりましょう。
腸内環境を整え、人間本来の強さを引き出すことが今私たちにできる健康の実現の第一歩だと考えています。