糖尿病は贅沢病ともよばれ、日本では約1800万人が予備軍と言われるほどポピュラーな病気です。
もともと和食は粗食で、日本人はほとんど糖尿病の人はいませんでした。
古い文献を紐解いてみると、紫式部の「源氏物語」に登場する光源氏が糖尿病の症状を発症していることがわかります。
「口乾き、力無し、但し食は例より減ぜず。目なお見えず」との記述があるとおり、光源氏は糖尿病だったと推測されます。
糖尿病患者の特徴として腸内細菌の分布が健常者と大きく違うということが挙げられます。
太っている人で野菜もヨーグルトも食べているのに下痢が多い人は、糖尿病の可能性が高まります。
糖尿病の人は腸内細菌数が少ない
下痢がちな人は便1グラムあたりの腸内細菌数が少ないというデータがあります。
鈴木邦彦先生のデータによると健常者の便1gあたりのビフィズス菌数は100億個あるのに対して、糖尿病患者の便1gあたりのビフィズス菌数は40億個だったというデータがあります。
ビフィズス菌が少ないということは、大腸の正常な蠕動運動や水分の吸収活動が行われず下痢になりやすいことを示しています。
実は太っている人の腸内細菌も痩せている人に比べて少ないというデータがあります。
ビフィズス菌入りの整腸剤を飲んで下痢を止めている人は、おそらく大腸内のビフィズス菌を増やすことにより大腸が正常な状態することによって、下痢を防いでいるのです。
大腸にいるべき菌が小腸に存在する
糖尿病を患って下痢をしている人の小腸内の腸内細菌を調べたデータもあります。
小腸は大腸よりも菌が少ない場所です。
健常者の場合、小腸上部の菌数は1ミリリットルあたり1万個以下が普通なのですが、糖尿病の人は小腸上部の菌数が1ミリリットルあたり100万個と100倍の菌がいることがわかりました。
しかも、バクテロイデス系の普段は大腸にしか存在しない腸内細菌が多く存在していました。
なぜ、大腸にいるはずのバクテロイデス菌が小腸に多くなるのかという答えはまだわかっていません。
小腸の本来の役割は栄養を吸収する場所です。
腸内細菌の役割の一つとして、人間の消化酵素で消化できないものを消化して栄養に変えるという働きがあります。
太っている人にありがちな偏食で偏った食生活で、人間の消化できないものが小腸にたくさん運ばれ、それを消化させるために普段小腸にいることのない腸内細菌が増えてしまったとも考えられます。
まずは大腸内にたくさんビフィズス菌を入れよう
まずは菌数を増やし、正常な腸内環境をつくりましょう。
下痢ということは便に含まれる水分が多いということです。
正常な腸の働きでは、口から入った水分は大腸で吸収されることになります。
まずは大腸に善玉菌であるビフィズス菌を増やしましょう。
ビフィズス菌は人の腸内にいる菌なので、普通の食事からは摂取できません。
ビフィズス菌を増やす方法は
- ビフィズス菌を直接摂取する
- ビフィズス菌を増やす食べ物を摂取する
しかありません。
ビフィズス菌入りと書いていないヨーグルトには腸内のビフィズス菌を増やせません。
ビフィズス菌入りと書いてあるヨーグルトを摂取するか、サプリメント、整腸剤でまずはビフィズス菌を増やしましょう。
増やした後にビフィズス菌を増やす、食物繊維やオリゴ糖を摂取し自分のビフィズス菌を増やすことが大事です。