fmt

クローン病って?

クローン病とは難病指定されている小腸や大腸に慢性的に炎症を起す炎症性腸疾患病です。

類似の病気として潰瘍性大腸炎やクロストリジウム・ディフィシル菌感染症などがあります。

この病気は若年層に多く、原因はまだはっきりと解明されておらず遺伝的に発症する説、細菌や免疫が原因とされる説などがあり、小腸や大腸の炎症ということで腸内細菌の乱れも指摘されています。

クローンと聞くとSFチックなものを想像してしまいますが、この病名の由来はクローン医師が1932年に発見したため「クローン病」という名前がつきました。

この病気になると小腸や大腸が炎症を起こし、栄養の吸収が阻害され

  • 重度の下痢、血便
  • 激しい腹痛、けいれん
  • 体重の減少
  • 発熱
  • 疲労

といった症状が現れます。

この病気は1970年代には日本では100名程度でしたが、近年では約4万人の患者数がいます。
アメリカではこの10倍もの患者数がいます

こういった腸の病気に対してのアメリカの最新の糞便移植という治療方法をご紹介します。

糞便移植って?

糞便移植とは読んで字の如く、人のうんちを自分の腸内に移植することです。

試験をした健康な人の便を整理食塩水または他の溶液と混合し、十二指腸から注射したり、浣腸により患者さんに移植されます。

糞便移植は中国などでは4世紀ごろから「黄色いスープ」として行われていたと文献には記されています。

Youtubeにわかりやすい動画がりました。

実際の治療結果というと、アメリカではクロストリジウム・ディフィシル感染症で亡くなる方が年間1万4千人いて、この糞便移植は通常医療としておこなわれているそうです。

それまではバンコマイシンやメトロニダゾールなどの抗生物質での治療が主でした。

臨床試験の結果はバイコマイシンの治癒率が30.8%だったのに対し、糞便移植による治癒率は93.8%と非常に有効な結果になったと報告されています。。

まだクローン病に対しての糞便移植の治療はまだ確立されていないようですが、臨床試験などでは有意な結果も出ていて現在期待されている治療法になります。

糞便移植で治癒する考察

クロストリジウム・ディフィシル感染症やⅡ型糖尿病の患者さんの腸内では、腸内細菌の種類数が少なく健康な人に比べて、腸内細菌が偏っているという報告があります。
腸内細菌は日々の食べるものによってつくられますので、健康な人=バランスの良い食事を取っている=腸内フローラに多様性があるという図式が成り立ち、不健康な人はその逆があげられます。

しかし、不健康になって腸内細菌の種類を増やそうとしても偏ってしまった腸内フローラはなかなか戻りにくいことは、クロストリジウム・ディフィシル感染症を発症している人をみると良くわかると思います。

人間の社会のように偏りがあるより、多様性があるほうがバランスがとれていいのかもしれません。

糞便移植と聞くと眉をひそめる人もいるかもしれませんが、移植手術や輸血など健康な人から病気の人に対して治癒効果を発揮している移植治療は他にもたくさんあります。

腸内細菌の重要性

腸は第二の脳とも言われ、栄養の吸収や免疫をつかさどる重要な機関です。
人間の臓器の中でも食べた物で動くのではなく、腸内の細菌によって動いてる臓器です。

おそらく糞便移植をする前にも、どの菌が有効なのかと言うことは十分研究されたと思いますが、結局人間の便を注入するというある種原始的な方法でこれだけの人が治癒するということは人体の神秘ですね。

腸内細菌の研究はまだまだ未解明な部分は多いですが、その他の腸の病気や原因不明の疾患に対しての臨床試験はたくさん行われていて数々の有用なデータが揃いつつあります。

将来原因不明の病気に対しての治療法のスタンダードになるかもしれないこの糞便移植は今後も注目です。

参考 難病情報センター
  MAYOCLINIC
IME特定非営利活動法人医療教育研究所