腸内細菌は遺伝する

わたしは子供の頃にアトピー性皮膚炎を患い、親から卵は食べたらダメ、化学調味料はダメと色々なものを制限された記憶があります。現在は発症はしていませんが、アトピーに効く乳酸菌の研究もされていて、子供の頃にヨーグルトを食べたらアトピーが治っていたのかなと最近考えるようになりました。

そもそもアトピーって何なの?

花粉症と乳酸菌のお話でも説明したように、アレルギーとは本来無害であってもアレルギー物質が体内に入ることにより免疫システムが誤作動を起こし体に異変が出てしまうということでした。

なぜ特定のアレルギー物質に対して誤作動が起こるのかというメカニズムは、まだ詳しくはわかっていません。ただ、全身の免疫細胞の60%が集まる小腸の腸管免疫を高めるとアレルギーの予防に有効であるということは解明されています。

口から入る細菌や微生物に対して、唾液や胃酸など殺菌酵素を含む粘液が私たちの体内にそれらが入ることを防いでくれます。

しかし、それらを異物がすり抜けてくる場合もあります。その時はマクロファージ(大食細胞)などの免疫細胞が異物に対して攻撃します。その場合に備えて小腸にはマクロファージや多くのリンパ球を待機させておくパイエル板というリンパ節の集合体があります。

小腸は免疫の司令塔

細菌やウイルスを発見したマクロファージなどの免疫細胞は、ヘルパーT細胞と呼ばれる情報司令官ともいえる細胞に情報を伝えます。情報を受け取ったヘルパーT細胞は、その異物に対して有効な免疫細胞や抗体に攻撃を命じます。

ヘルパーT細胞にはTh1細胞とTh2細胞の2種類があり、Th1はウイルスに感染した細胞等の破壊を行うCTLの活性化を行い、Th2は抗体(自然免疫で抗原獲得を完了したと仮定する)による液性免疫で排除します。

このTh1とTh2のバランスの乱れがアレルギーにつながります。詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、悪玉菌が優勢になっている腸ではTh1よりTh2が優位に働くことが知られていて、それがかゆみや皮膚炎、発熱、だるさというアトピー性皮膚炎の症状を引き起こしやすくなります。

乳酸菌とアトピーの臨床データ

このようにに腸内細菌のバランスが崩れることによって、免疫機能に異常がでてきます。腸管免疫を高める乳酸菌を摂ることは、アレルギーの予防にとって有効です

両親がアレルギー体質の場合、そのアレルギーが子供に遺伝することが統計的に多くなっています。

しかし、ある研究結果でアトピー症状を持つ妊産婦が乳酸菌を摂取し、生まれた子供にも一定期間乳酸菌を与えたところ、アトピーの発症率が低くなったとのデータもあります。

薬効効果の無いプラセボ偽薬を与えたグループでは、子供のアトピー発症率は46%です、ほとんどふたりに一人が発症しています。対して、乳酸菌を摂取したグループの発症率は23%まで低下しました。さらに、アトピー症状を持つ小児に対しても、乳酸菌の摂取は症状の改善に効果的であることがわかっています。症状を持つ複数の子供が8週間乳酸菌を摂取したところ、その多くに皮膚症状やかゆみの改善が見られました。

参考 あなたの知らない乳酸菌 後藤 利夫著

アレルギーはもちろん母親の腸内細菌を子供生まれるときに引き継ぐというデータもあります。出産を迎える前に日常的にヨーグルトや乳酸菌で腸内環境を整えておくことが女性には必要であるということを覚えておいてください。